住宅ローンの金利関係は「住宅ローンの固定金利と変動金利」のカテゴリーであれこれ書いています。
どちらを選んだら良いか?を考える時は、最初に「全期間固定金利を選ぶことが出来るかどうか」で線引きがされます。
全期間固定金利を選ぶと返済額が最後まで一定になります。
この額で返済が出来るなら、変動金利を選んでも良い可能性が出てきます。
全期間固定金利を選ぶと返済が出来ないのであれば、少し極端ですが住宅ローンを借りられる状態にはありません。
全期間固定金利が住宅ローンでは一番高い金利になりますし、月々の返済額も一番多いです。
1.5%の35年返済の場合、ローンの返済額が107,164円でこれに管理費・修繕積立金・固定資産税がマンションの場合は掛かりますので3万として137,164円が35年続きます。
支払い続けられるだけでなく、貯金も出来る見込みが立つなら、住宅ローンを借りても生活の不安は低いです。
じゃあ、全期間固定金利で良いかといえば、次に変動金利の可能性を検討します。
変動金利を考えるときに大事なのは、35年間の平均金利です。
今は0.5%以下のところが多いですが、35年間ずっと0.5%以下の変動金利となる可能性は考えにくいです。
過去30年の間の変動金利は0.5%の範囲で上下しています。
優遇金利の考え方は1990年代後半に出始めたようですので、まさに低金利時代の幕開けと共にという感じです。
ウクライナ問題やコロナの影響を受け、金利が上昇局面になっている状況で不安になるのは確かです。
安心のために全期間固定金利にした方が良いのでは無いかと悩むと思いますが、全期間固定金利にしても返済出来る見込みがある人の場合は、もう少し条件を考えても良いと思います。
ウチの場合はミックスにしましたが、他にも考えられます(「金消契約までに悩んだ変動金利・固定金利・ミックスのまとめ」)。
それは「全期間固定金利の安いところを探す」です。
頭金0円の場合は1%弱(0.95%前後)が今の主流のようです。(うちは1.5%台でした)
固定金利は2月・3月と微増になっているため、もしかすると4月に入ってまた少し高くなるかも知れません。
それでも安い銀行の全期間固定金利なら1%です。
このため全期間固定金利で安いところに申し込むことが出来れば、変動金利を考える必要性は低くなります。
ただし、変動金利そのものを考えたとき、過去30年の変動金利の平均は大体0.5%ぐらいです。
これから先35年、平均0.5%で推移するかどうかは分かりません。
固定金利は上がってきていますが、これだってずっと上がり続けるわけでも無いです。
平均すると1%ぐらいで収まるかもしれませんので、それなら変動金利の方がお得です。
ただ、変動金利は金利の上昇幅が読めないため、0.1%上がると35年でいくらになるかを計算しておきます。
0.1%上がると35年で支払い額が65万円ほど上がります(3500万円の場合)。
0.5%上がると300万円ほど上がる事が分かります。
これで0.5%~1%の差額が分かりました。
0.5%が1.5%平均になったら、600万円ほど上がります。
この上昇リスクが読めない部分が、変動金利が博打と呼ばれる理由です。
金利が上がらなければ、上乗せ分の利息の支払いはありませんが、少しでも上がれば数万円~数十万円支払い額が増えます。
これが住宅ローンの利息の増え方です。
なぜ、0.1%でも「金利が下がる」と言わないのは、下がる可能性より上がる可能性の方がリスクが高いからです。
金利が下がるなら何も対処をしなくても良いですが、金利が上がる場合は増加分を見越して繰上返済や貯蓄の切り崩しを考える必要が出てくるかも知れません。
実は全期間固定金利で組める人は、繰上返済とセットに出来ると仮に1%の金利だった場合、繰上返済によっては0.849%まで平均金利を下げることが出来ます。
ウチの場合は17年1700万繰上返済をする予定ですが、20年2000万の繰上返済を1%の固定金利で行った場合、最終的な平均金利は0.849%になります。(3500万35年計算)
0.849%でも0.5%前後の変動金利に比べれば高いのですが、金利の上下に伴うリスクが無くなる上に、固定金利にしたのに金利も低くなります。
これらのことから、固定金利か変動金利で悩んだときは、まずは「固定金利の低い銀行を探す」というのが第一段階で、その次に繰上返済を考えていきます。
これで変動金利を選んだ状況に大分近くなります。
でもやっぱり変動金利が安いから・・・という場合は、変動金利を選んだ場合によく言われる繰上返済の前倒しをしていきます。
変動金利がリスクと言われるのは、借入残が大きいほど金利の影響を受けて利息が高くなるからです。
借入額が繰上返済で少なくなれば、金利が高くなっても影響が小さいです。
全期間固定金利でも返済出来るなら、変動金利を選択し、金利が低い間に貯金をしていき、金利が高くなったら繰上返済をしていく感じです。
固定金利と変動金利のどちらがお得か?と考えた時、単純に変動金利の方がお得とはならないです。
変動金利を選ぶと、まさに今の様なウクライナの問題や物価があれこれ上昇している状況になったとき、不安が強くなります。
しかも、今は固定金利が上がってきているって話題になっているので、「変動金利は大丈夫だろうか」と不安になる人も出てきます。
0.1%上がるだけで月々1600円返済額が増えるからです(3500万35年0.5%⇒0.6%計算)。
固定金利は確かに上がりましたしウチももろに影響を受けました(>_<。)
でも、変動金利は変わっていません。
変わっていないのに不安になってもしょうが無いですし、今は出来る範囲で繰上返済なり貯金なりをするタイミングです。
ただ、こういう感じで変動金利を選んでいると、固定金利と違って金利の動きに敏感にならざるおえなくなります。
こういうのが煩わしいというか、しんどい人は安い固定金利のところを探すのが一番合っています。
全期間固定金利でも返済出来るけど、出来れば少しでも返済額を安くしたい人は、変動金利があっています。
金利上昇のリスクに対する備えは「固定金利の上限を決めておく」です。
ウチは固定金利が5%(店頭金利7%)が見えたら変動金利から固定金利に変える方向で考えています。
これ以下なら月々の返済と貯蓄で吸収できるからです。
固定金利が店頭7%とは言わないにしても、固定金利がいくらぐらいになったら変動金利から固定金利に変えるかを検討しておくと、変動金利のリスクに備える事が出来ます。(固定金利が最初から選ぶことが出来ない銀行やプランの場合は別)
この考え方のキモは変動金利の上昇を見ているのではなく、切り替える予定の固定金利の上昇を見ていることです。
変動金利が全期間固定金利を上まわることは現状では考えられないですし、考えられたとしても短期的な幅で済みます。
ただし、「だから変動金利が良い」という話ではなく、今は固定金利が1.5%だったとしても、変動金利が1.5%になったときは、固定金利が2.5%ぐらいになっています。
変動金利が2.5%ぐらいになったら、固定金利は3.5%ぐらいになってます。
つまり、どこかで固定金利にしておかないと、変動金利の金利上昇のリスクを回避出来ないのです。
だからこそ、変動金利がいくら上がるかでは無く、固定金利の上限を設定しておくことで、変動金利の上昇リスクに備えます。
こういう面倒なことを考えてでも支払利息を減らしたい場合は、変動金利が合っています。
面倒が嫌な人、考えたくない人は固定金利の安いところを探すこと。
面倒でも支払利息を減らしたい人は変動金利を選びつつ固定金利に注目しておくという感じです。
ウチのようにミックスを選ぶ場合は、金利上昇リスクを出来るだけ減らしつつ、でも支払い額も減らしたい人向けです。
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