住宅ローンを変動金利で借りている人は気をつけた方が良い、返済額が増えて大変なことになる!みたいな情報がネットで目に付くようになりました。
変動金利が上がると返済額が増えるのは確かだけど、「いつ変動金利が上がるか?」で変わるはずです。
住宅ローンの変動金利は6ヶ月毎の年2回見直しがあり、それが4月と10月です。
変動金利が変わったとしても、この4月と10月以外は関係無いことが大事です。
今日変動金利が上がったからと言って、その金利で住宅ローンで借りている金額が再計算されるわけではなく、4月と10月の適用金利で再計算されます。
そして、この住宅ローンの変動金利を決めているのは各銀行です。
指標としては短期プライムレートを参考にしていると言いつつ、銀行が変動金利を決めています。
今の店頭金利は大体2.475%(短期プライムレート1.475%に1%をプラスした数字)が多いです。
今は店頭金利に対して優遇金利がメインになっていますので、数%をマイナスして貸してくれます。
変動金利がどういう風に決められているかを知っておくことは重要ですが、それよりも重要なのは「返済額が上がるのかどうか」です。
4月・10月に店頭の変動金利が上がれば返済額も増えます。
これは今借りている人もこれから借りる人も同様です。
ポイントは「上がり幅」と「期間」です。
バブル期の変動金利の上昇を見ると、上がり始めで0.3%の上昇でした。
その後、上昇していったわけですが、上がりきる(8.5%)のに4年掛かりました。
景気の後押しもありぐいぐい上がり、バブル崩壊と共に急激にダウン、金利の自由化の後押しもあり更に下降し、現在に至ります。
同じ動きになるかどうかは誰にも分かりませんが、上昇すると言ってもいきなり数%も上がるわけでは無いということです。
当時で最大1%が1回の上昇の幅でした。
これで分かる事は金利が大幅に上がるとしても、時間的な余裕が若干あるということです。
その間に固定金利に変えたい人は変えると良いですし、そこに至るまでに繰上返済で元金がある程度減っているならどの程度の返済額になるかを計算し、今後どうするかを考える材料にするぐらいの時間はあります。
これが4月・10月で変動金利の見直しがされるメリットです。
重要な事は「今の変動金利から変わると返済が出来なくなる」ような状況にあるなら、早急に繰上返済を考えるか、任意売却を視野に入れておくことです。
今の変動金利は低ければ0.3%前後ぐらい、高くても0.7%前後ぐらいです。
借りている金額や期間にもよりますが、1%上昇したら6千円程度毎月の返済額が増えます。
2%で34千円程度毎月の返済額が増えます。
これは35年で最初から増えた場合の計算ですので、実際はもっと下がると思います。
後は、このリスクに備えるかどうかです。
1%以上になったら困るとなるなら、早めに固定金利に変えた方が良いです。
2%になっても何とかなるかなっていう場合は、変動金利の恩恵を受けつつ、金利の推移を見守る感じです。
変動金利の恩恵とは「固定金利よりは安く済む利息の支払い」です。
固定金利の恩恵とは「利息を変動金利よりも多く払うことで支払金額を確定してくれる」です。
だからこそ、可能な限り固定金利の低いところでローンを申し込んだ方が良いっていう話になるわけです。
でも、そうじゃない場合は「実際に変動金利は動き始めたかどうか」で判断した方が良いです。
現段階で固定金利は上昇し始めていますが、変動金利は動いていません。
上昇するだろうという噂はずっと言われていますが、動いていません。
だから「動くはずはない」というのではなく、「動いてから対応すれば良い」という感じです。
対応は動いてからで良いですが、備えは今からでも出来ます。
変動金利のリスクは金利上昇に伴う返済額の増額なので、預貯金を増やしたり、お金を借りる算段をするなどして準備を進めておきます。
動いていないモノをどうこうしようとするよりも、動いてから対応出来る様に備える方が、変動金利の恩恵を一番長く受けられます。
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